アスペのグレーゾーンが不安を書くブログ

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アスペルガーグレーゾーン(仮)の社会人が日々の不安や気になる本について書くブログです。

5/23の不安:マーク・ピーターセン『日本人の英語』岩波新書(その1)

マーク・ピーターセン『日本人の英語』岩波新書

 今日は午前中に部屋の掃除をして、午後に髪を切りに行ったり、腕時計のベルトの長さを調節しにロフトに行ったり、3時間ばかり自転車を乗り回したりして充実した時間を過ごすことが出来ました。

最近は週末に自転車に乗ることにハマっています。天気がよくて風も涼しくて丁度いいので今が一番ですね。

乗っている自転車は学生時代に7万円を出して購入したオキニの自転車です。

その名も「まなみ号」。まあ、これは冗談です。森見登美彦の真似をしました、はい。

太陽の塔(新潮文庫)

太陽の塔(新潮文庫)

 
四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 

 2014年モデルなので購入してからもう6年近く経つことになります。まだまだ現役です。あと4年は乗れたらいいなあ。。。

運動にもなるのでおすすめです。

 

さて、本題です。

タイトルの本、夜に読み始めました。まだ半分しか読んでいませんが、ブログ書く時間が限られているので、今のうちに何かしら書いておこうと思います。

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

 

 『日本人の英語』は、どういうときに名詞に”a”が付いてどういうときに"the"となるのかなど、日本人の躓きやすい英語表現についてネイティブの感覚や日本人の知らない英語の理論を基に解説した本になります。

まあ自分が紹介するより、見開きの紹介文を乗せた方が早いと思うのでいかに引用しておきますね。

「冷蔵庫に入れる」はput it in the freezer なのに「電子レンジに入れる」だとput it in my microwave oven となる。どういう理論や感覚がこの英語表現を支えているのか。著者が出会ってきた日本人の英語の問題点を糸口に、従来の文法理解から脱落しがちなポイントをユーモア溢れる例文で示しつつ、英語的発想の世界へ読者を誘う。

初版は1988年です。2019年10月に第81刷発行とあるので、かなり読まれ続けている名著であることが分かると思います。

私も大学1年か2年の頃に2回ほど読んだ覚えがあります。2回は読んだ覚えはあるのにほとんど中身を覚えてなくてふと思い出して今回再読したわけです。少しでも記憶に残っていればよかったのですが、残念ながらまるで初見かのような感覚がしました(なんだったんだあの2回分の読書時間)。

本書は雑誌に2年間にわたって連載された記事をまとめたものです。なので、冒頭に説明したようなaなのかtheなのか、inなのかonなのか、outなのかoffなのか、といった点についての解説が20編収録されており、途中から読み始めたり、読みたいところだけ読むこともできるかなと思います。

それぞれ10ページほどで、文字数もそこまで多くないのでお堅いレーベルのイメージの割には意外とさくっと読むことができました(それでもやはり英語の例文読むのは頭を使うかも)。

個人的なメモも兼ねて印象に残った部分を以下に記しておこうと思います。

1.冠詞と数の意識

 

よく日本では「名詞に対して冠詞がつく」というような感覚で英語が教えられますが、ネイティブの感覚からするとそれは逆で、冠詞に対して適当な名詞が与えられるということです。印象的な文章を以下に引用します。

例えば、もし食べた物として伝えたいものが、一つの形の決まった、単位性をもつ物ならば、"I ate a...a...a hot dog!"(あるいは、a sandwich、a rice ballなど)と、aを繰り返しつつ、思い出しながら名詞を探していくことになる。

 ネイティブの思考プロセスをよく表していると思います。

最初に頭にイメージがあって、その単位性が最初に話者に意識される。そこからそのイメージに適当な名詞を与えるということだと思います。ものの単位性に関する概念?意識?が日本人とは異なってそうですね。

ネイティブの人が英語初学者のように「hot dogは一つだから、、、aか」なんてことは考えないわけで、はっとさせられました。

 

もう一つ例をメモしておきます。

以下の文でテニスクラブにはコーチが一人だけで、弟は少なくとも2回は離婚していることが分かるというのです。

In April, I introduced the coach of my tennis club to an ex-wife of my brother, and by June the two were already married.

 (4月に、私のテニス・クラブのコーチを、弟の離婚した妻に紹介したが、6月になったら、二人はもう結婚していた。)

”the coach ”と”an ex-wife”のところです。ここが逆に”a coach”、"the ex-wife"であれば、コーチは複数人おり、元妻は一人ということになるそうです。

この例に関しては詳しい説明が載っていませんが、恐らく"the"と言い出した場合には、(本書の文脈からすると)「コーチが一人いる。そのコーチは、、、」の「が」と「は」の日本語の二段階の表現が含まれており、且つ"the"には「その」とか「例の」といった限定するニュアンスがあるので、コーチは一人であることがわかるのだと思います。

一方、"an ex-wife"と言った場合には、これは"one of his ex-wives"と同義であり、「~のうちの一人」というニュアンスになるので、元妻が複数人いることが分かるということになると思います。

 見開きにあった冷蔵庫はtheで電子レンジがmyになる件はぜひ本書を購入して調べてみて下さい(自分もどこまでブログに本の内容を書いていいのかわからないので)。

 

もう一つメモしたい例文がありました。純粋不可算名詞に関する例文です。

After repeated breakdowns, machine was replaced with more reliable equipment.

(何度も故障したので、機械はより信頼性の高いものに取り換えられた。) 

上記の”machine"は可算名詞なので、このままでは間違いなのだそうです。

もし幾台の中から一台だけを取り換えた場合は、”one of our machines was replaced”になり、何台か把握できないような複雑な機械をある程度直したケースなら、"machine"の代わりに純粋不可算名詞の"machinery"を使うべきだということでした。

 

2.onとin、offとout

 

車に乗る場合は、get in、船や電車に乗る場合はget on。。。この違いは何に起因しているかと言うと、乗る人と運転との意識の上での距離に起因しているのだそうです。

電車や船は「運ばれている」感が強いが、タクシーや車は多少運転との間に繋がりをいくらか感じるところが、言葉の差に表れているとのことでした。

また、時間の話でいうと、一週間くらいないとその時間の「中に入った」感覚がないので、onとinの使い分けは以下の通りとなるようです。

We were together on a weekend in July.

on=時点、in=間を表している感覚でいいのかなと思います。

続いてoffとoutですが、offは二次元関係、outは三次元関係を表しているとのことでした。それなので、使い分けは以下の通りとなります。

Clean off your desk!(机の上をきれいにしなさい)

Clean out your desk!(机の中をきれいにしなさい)

Keep out of this room!(この部屋に入るべからず)

Keep off the grass!(芝生に入るべからず)

 なんとなくわかりますかね??offは平面的な空間で、outは立体的な空間になっています。

 

3.名詞 of 名詞

 

表記としてthe University of Tokyo(東京大学)はよくて、the University of Meiji(明治大学)はダメとのことでした。

この違いは何となくわかると思いますが、Tokyoは地名でもあるわけで、東京にある国立大学なので従属関係にあり、A of Bの使い方が出来るそうです。

一方で「明治」は地名ではなく単に大学の名前ですので、A of Bの使い方が出来ないとのことでした。

ofについて言うと、A of B なのか、B's A とすべきか、それともB Aとするのかという問題があるようですが、そこまで神経質になる必要はなさそうでした。ただし、上記3つの書き方はわずかにニュアンスが異なるようですので気になる方は本書を参照してください。

 

半分読んでのメモは以上です。本書の後半は時制や副詞に関する解説でした。明日本腰を入れて読みます。

これまで単語等はそこそこ勉強してきましたが、文法は高校時代に苦手意識を持ってから遠ざけていたので、今後『一億人の英文法』と『English Grammar in Use』で勉強予定です。

 

また、あとがきに執筆の際にお世話になった方として「木下是雄」さんの名前も挙げられていました。『理科系の作文技術』の方ですね。この本もおすすめしておきます。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

  • 作者:木下 是雄
  • 発売日: 1981/09/25
  • メディア: 新書
 

 学生当時、所属していた研究室の先生があまり論文の書き方に厳しい方では無かったので、自分で勉強しようと思って手に取った記憶があります。

内容はあまり覚えていませんし、学んだことを現状実践できている自信はありませんが、正確な日本語表現を求められた場合に参照できるように手元に置いておくのがベストだと思います←

自分が覚えているのは以下のことぐらいです(間違ってたらすみません)。

  • 「~と考えられる。」というのは日本人の性格を表した消極的な表現方法である。日本人の書いた英語論文には上記のような表現が散見される。受身表現が多く、ネイティブからすると違和感がある。
  • 横書きの場合の句読点は、カンマ(,)と終止符(.)を用いる。これは言わずもがな。
  • 文章を書くときは、主語が途中で入れ替わらないように注意すべし。 

 横書きの場合は、「言わずもがな」なんですね。学生の時に衝撃を受けたことを覚えています。

また、主語の点だけは気を付けるようにしています。が、時々やっちゃうかもしれません。

自分でも主語と述語の対応が分かるように文章はなるべく短く書くのが大事ですね。

上の文、この場合「文章は」は主語じゃないですよね??あれ?わからん。。。

下手なこと書くと自分が文章書きづらくなるので、ここらへんにしておきます。

ということで今日は以上です。