水木しげる(角川文庫)『猫楠―南方熊楠の生涯―』
せっかくブログ立ち上げたので。。。。
せっかくブログを立ち上げたので、一冊本を紹介しようと思います。
記念すべき1冊目は水木しげるの『猫楠―南方熊楠の生涯―』です。
南方熊楠、名前は聞いたことがあると思いますが、どんな方かみなさんご存知でしょうか?
もしかしたら日本史の教科書にも出てきているのかもしれないですが、私は歴史が苦手なのではっきり覚えていません。(もしかしたら楠木正成とかぶってるかも)
ということで南方熊楠について簡単に以下に説明します。
南方熊楠ってだれ??
南方熊楠(1867-1941)は日本の博物学者、生物学者、民俗学者。和歌山県出身。東京大学予備門(同級生に夏目漱石、正岡子規)中退後、19歳で渡米した。
その6年後イギリスに渡り、科学雑誌『ネイチャー』に初めての論文『極東の星座』を投稿。これがきっかけかけで大英博物館の調査員を務める。
英語のほかイタリア語、ドイツ語、ラテン語、スペイン語に長けていたほか、漢文にも堪能で古今東西の文献を渉猟した。
ということです。(参考:Wikipedia、南方熊楠記念館HP)
要は天才ということです。
水木しげるの描く南方熊楠
マンガの中の熊楠はとりあえずよく吐きます(嘔吐)。それに冒頭のイギリスでの生活を回想するシーンではバケツにためた尿を床にぶちまけたり、異臭で誰も近づかなかったりとやたらと不衛生に描かれています。
実際、熊楠ってどんな人だったんだろうと検索してみると若き日の熊楠の写真がありました。これです。
めちゃイケメン/////
こんな汚いわけないんじゃない?と思いましたが、中年の熊楠はこんな感じでした。
あー、確かに若いころの面影あるし、これだったら汚くてもわかるかもって感じです。
それで熊楠は粘菌の研究をしていたわけなんですが、どうして熊楠が粘菌に興味を抱いたのかがなんとなくわかるようなセリフがマンガに登場してくるのでその一部を紹介します。
まァ、粘菌を例にとると・・・・こいつは生と死を一つに持っているようなものだ 。
生命がもっとも活動しているときは見た目はたんみたいなもので、死物に見える後日繁殖の胞子を守るだけの粘菌は実は死物だが人は死物をみて粘菌が生えたという
(中略)
粘菌の世界をみても死んだと見える状態に似ているときに粘菌はもっとも活躍しているんだ
すると人間は死んだと思われ無だと思われている時の方が本当に生きているのかもしれないナ
これだけだと分かりづらいかもしれませんが、要は人間の目からしたら死んだように見える粘菌は、その死んだように見える状態が一番活動的だということです。(たぶん)
こうした考えから、熊楠の死生観が粘菌から影響を受けていたことがなんとなく読み取れます。
また「脳力」や化ける化けないの話もでてくるため、熊楠が民俗学者であったことや水木しげるがマンガに描こうとしたこともなんとなくわかります。
(なんとかくばかりですみません。読んだの12月であんまり覚えてn。。。それでも、かの岡本太郎は「読んだ本に何が書いてあったかなんて関係ない!読んだ瞬間にその人の血となり肉となるんだ!」って言ってました。そうです、何が書いてあったかは関係ない。)
マンガでは熊楠が昭和天皇に粘菌図鑑を進献した話や、柳田國男をはじめとする学者との交流も描かれています。
個人的には最後の息子に関する話が印象に残りました。詳しくは本書に任せますが、いくら、天皇にご進献したとしても、これはこれでつらいなぁ、、、と。
人生こんなもんだなと勉強になりました。
ということであんまり時間もないので、本の紹介はここまでとします。
2017年は南方熊楠生誕150周年
現在、東京上野公園にある国立博物館では南方熊楠展が開催中です。
南方熊楠生誕150周年記念企画展「南方熊楠-100年早かった智の人-」(2017年12月19日(木) ~2018年3月4日(日))- 国立科学博物館
ぜひ猫楠読んでから、足を運んでみてください。
実際、博物館の一室を使っての展示なのでそんなに広くはないですが、面白いと思いますし、より理解が深まると思いますので、おススメします。
なにより、本を読んでから展覧会に足を運ぶってのはすげー面白い。
まぁ、いつも一人なんですけどね、こういうことに付き合ってくれるかわいい女の子いないかな。